小児歯科

小児の歯科治療で大切なことは、お子さん、保護者、歯科医師の間の信頼関係の構築です。

信頼関係は一夜で築けるものではありません。

 

また、最初から歯科治療を怖がらずに出来る子はいません。

お子さんが歩んできた人生の中での経験や不安、また保護者の教育が大きく影響します。

 

良い信頼関係を築き、歯科医院での治療に慣れてもらう事で、徐々にお子さんが歯科治療を受ける勇気を持つことができます。

 

当医院では、抑制具などによる抑えつけを行う治療は行っていません。

時間はかかりますが、定期的に通院してもらい、歯科医院のスタッフや歯科医師の先生、歯科治療が怖いものばかりではない事を知ってもらい、将来的には「歯科医院に行きたい子」になってもらいます。

(全く良い話ではありませんが、「歯医者さんに行きたいから虫歯になりたい!」とまで言ってしまう程、当院に来るのが好きなお子さん達が沢山います)

 

【フッ素塗布】

生えたての乳歯・永久歯は虫歯になりやすい状態にあります。

フッ素塗布による虫歯の予防処置を行います。

*痛みは伴いません。

(対象年齢:1歳半~11歳)

 

【シーラント】

虫歯になりやすい奥歯の溝をプラスティックの樹脂で埋めることにより、虫歯の予防処置を行います。

 

シーラントの手順:

① 超音波器具を使用し、歯の溝の汚れをとります。

② 汚れを取った後に、溝に専用のお薬を入れ10秒後にお水で洗い流します。

③ 溝にシーラントを流し込み、光で硬化させます。

*歯を削るなどの、痛みを伴う治療ではありません。

(対象年齢:6歳~11歳)

子供の歯について

乳歯は、無事に永久歯が生え揃うまで、大切な役割を担っています。

「噛む」という運動による顎の成長、永久歯が生えるときに正しい位置への誘導などです。

しかし永久歯に比べて虫歯になりやすいと言われています。付き合いは短い乳歯ですが、生涯付き合う永久歯の為にも、丁寧なケアが大切です。

乳歯が虫歯になりやすい理由

子供の歯(乳歯)は永久歯に比べると、大きさや厚さが半分程度です。

石灰化が弱いため、歯の表面にある硬いエナメル質も弱いのです。

また、子供は一人では歯磨きが上手にできません。大人が仕上げ磨きをしてあげたり、楽しい習慣づけをするなど、根気よく一人で磨けるように見守ってあげましょう。

 

子どもの好きな食べ物には、虫歯の原因になるものが多くあります。

「お口の中にとどまる」

「虫歯菌が取り込みやすい糖分を持つ」などの特徴を持つ食べ物、つまり「アメ」「ガム」「キャラメル」「チョコレート」などのお菓子です。

これらはなるべく控えるようにし、お口の中で糖分がとどまらないよう、おやつの時間をきちんと決めるようにしましょう。

乳歯の生える時期

人によって遅かったり、歯が生える順番が違っても問題ありません。

歯が生える時期や順序についての仕組みはまだ解明されていません。

3~4カ月程度のズレは全く問題ありません。

生え始めは赤ちゃんにとって、とても不快感があります。歯ぐきのむずがゆさを解消するために、いろいろなものを口に入れたがります。歯がためなどのおもちゃでその欲求を満たしてあげましょう。

★妊娠して2~3ヵ月で、乳歯の歯(歯胚)が出来始めます。

★4~6カ月位の胎児の頃に、歯の石灰化が始まります。

★赤ちゃんが生まれ、乳歯が生えてくるのは5~10ヵ月の頃です。

下の歯から順に生え、3ヵ月位遅れて上の歯が生えてきます。

生えかわる時期

名称 生える時期 抜ける時期
乳中切歯 生後6~7ヵ月  6~7歳
乳側切歯 生後7~9ヵ月 7~8歳
乳犬歯 生後16~18ヵ月 9~12歳
第一乳臼歯 生後12~14ヵ月 9~11歳
第二乳臼歯 生後20~24ヵ月 10~12歳

永久歯の生え変わり時期

赤ちゃんの顎と、大人の顎ではずいぶん大きさが違います。歯は隙間なくお顎の骨に並んでいなければなりません。ところが、歯は生えた後に大きく成長することはほとんどありませんので、最初から顎のサイズにピッタリの歯が生えるようになっています。

 

顎が小さい子供のときは小さい歯が生えていて、顎が成長して大きくなると、その顎にピッタリの大きい歯に生え変わります。

 

また、大人の歯は本数も多くなります。子供の歯は全部で20本ですが、それが生え変わると奥歯が生えてきて最後には通常32本になります。

 

中には一番奥に生えるはずの「親知らず」が最後まで生えない事もありますから、そういう人は28本で終わりになります。

大人の歯が生え揃う頃には、顎の骨の成長も止まり、それ以上顎が大きくなることはありませんので、歯が生えかわる必要はないのです。

虫歯の予防

【早期発見が肝心】

子供の虫歯は進行が早く、痛みも少ないために、半年ほどで神経の近くまで進んでしまいます。

初期症状としては、歯の表面が白く濁ったようになる、黒い小さなシミのようなものがつく、歯と歯の間の部分が黄色くなるなどが挙げられます。

この段階で発見すると、治療は比較的簡単に済みます。日頃のケアを丁寧に行いましょう。

虫歯を予防するには

●歯磨き

ていねいな歯ブラシを心がけ、口の中を常に清潔にし、歯垢や細菌、歯石を取り除きましょう

 

●砂糖を控える

おやつには、なるべく砂糖の少ないものを選び、キャンディーなど、粘着性の高い物は控えましょう。

 

●バランスよく食べる

丈夫な歯を作る為に栄養バランスの良い食生活を心掛けましょう。

 

●よく噛む

よく噛んで食べることにより唾液が多く分泌され、口の中を綺麗にしてくれます。

 

●寝る前は食べない

眠っている間は唾液の分泌が減り、虫歯の原因菌が最も増える時間帯です。夕食後に歯を磨いたら、寝る前の間食は控えましょう。

 

●歯科医院で定期健診を受ける

学校や幼稚園で受ける健診は、虫歯や歯周病などの疾病についての有無を調べ、治療が必要か、経過観察が必要かなどのふるい分けを目的としています。歯科医院の健診は、疾病の診断のために検査をし、治療や予防処置を行うのが目的です。

 

虫歯になってから治療に行くのではなく、予防のために定期的に歯科医院に行きましょう。