通常の保険との違いは着色性とその強度でしょう。
保険診療は、「噛める事」をメインに考えている為、義歯のバネや銀歯など皆さんが持つ審美要求に応えるには限界があります。なお自費診療は審美要求に応えることはできますが、高価である為、選択するのに躊躇することがあります。
普段から患者さんに説明する際に、いつも考えていることは「自分だったらどうするか」という事です。
歯科医師としての知識がある私が被せ物や詰め物を選択する際、考えるのは以下の点です。
① 出来る限り再治療の可能性が無い
② 綺麗なもの
③ それなりの強度がある
④ 腕の良い歯科医師が形成印象する
⑤ 腕の良い歯科技工士に作ってもらう。
上記、①については、合着材や形成による部分があり、④にも若干つながってきます。
④については、私が常に精進し続けるしかありません。
①と④がベストな状態であると仮定して、②、③、⑤の要求に応えうるものは「セラミックスによる治療」になります。
セラミックスによる診療と一言で言っても、実際には数種類あり、それぞれの特徴がある為、担当の先生に詳しく聞く必要があります。
よく利用される健康保険適用のメタルインレーは強度は強いものの、銀色が目立ち、再び虫歯になってしまうなどの課題があります。
下図の様オールセラミックタイプのインレー(詰め物)を利用する事で切削量をできる限り最小にし、見た目は白く、強度も強い歯にすることが可能です。
インレー(部分的な詰め物) | |
*二週間程度の納期がかかります。 | 費用(税込) |
■ e.maxインレー | 44,000円 |
■ ジルコニアインレー | 55,000円 |
よく利用される健康保険適用の「硬質レジン前装冠」は、強度が低いため折れたり磨耗し、「全部鋳造冠」は銀歯の為、色が目立つ、歯茎が黒ずむなどの課題があります。
また、保険適用で白い材料が使えるのは基本的には上顎は前から5番目の歯である小臼歯までであり、6番目以降の歯は全て金属になります。下顎は前から6番目の歯まで白い材料が使えますが、上下左右の7番の歯がある事が条件になります。
また、ブリッジの際はそのルールが適応できなくなります。
前歯部を保険適用で治療した場合には、後々変色してかなり目立ってくることが多いので、見た目を気にされる方はセラミッククラウンをお勧めします。
セラミックスはプラーク(歯垢)の付着が起こりにくく、着色も無い為、長期にわたって使用することが可能です。
クラウン(被せ物) | |
*二週間程度の納期がかかります。 | 費用(税込) |
■ e.maxクラウン(臼歯部) | 99,000円 |
■ e.maxレイアリングクラウン(前歯部) | 110,000円 |
■ ジルコニアクラウン(臼歯部) | 110,000円 |
■ ジルコニアクラウン(前歯部) | 121,000円 |
材料の特徴や適応範囲などについては、様々な考え方があります。
担当の歯科医師にお気軽にお尋ねください。